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| 神成探偵社の 事件簿 １ -支笏湖に消ゆ- |
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第２４章： 待ち伏せ |
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井上和香
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第２４章 待ち伏せ 水曜日、芳恵は仮病を使って研究室を休み、百合が原公園に向った。 野球帽とサングラスを掛けて、園内を歩いた。 先週は満開だったライラックは盛りを過ぎて、少々色褪せていた。 百合広場の奥にある藤棚に着いた。 時間は、12時半だった。 真之とあの女の待ち合わせの時間まで、後、30分だ。 芳恵は、藤棚の後方にある生垣に身を潜めてあの年増女が現れるのを待った。 だが、待ち合わせの午後１時を過ぎても、２人は現れなかった。 ２時まで待ったが、２人の姿は見えなかった。 さらに、３時まで、執念深く、待ち伏せたが、結局、姿を現さなかった。 空腹を我慢して、２時間半も、初夏の日射しに晒されていたが、骨折り損の草臥れ儲けだった。 何だか自分が馬鹿に思えた。 芳恵は諦めて、百合が原公園にあるレストランへ向かった。 悔しさと空腹感が重なり、妬け食いに走った。 「真之の馬鹿」と呟きながら、注文した料理をガツガツ食べた。 第２４章 終了 → 第２５章 ： 想い出の喫茶店 へ → ページトップへ 
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